伝統の和食からイタリアンまで！ 日本橋ディナーおすすめ16店

創業140年を超える老舗のうなぎ専門店。日本橋・茅場町・人形町の中間にある交通至便な路地裏に佇む数寄屋造りの一軒家は築80余年。まるで旅館のような設えで、訪れる人たちを静かに迎えてくれる。

江戸前のうなぎは、捌いて串打ちし、白焼きにしてから蒸し、タレを付けて焼き上げる。ふっくらと蒸した後に付けるのは、創業時から注ぎ足している秘伝のタレ。甘さは控えめ、醤油がキリッと立った味わいは、まさに江戸の伝統。備長炭でじっくりと焼き上げることで香ばしく仕上がる。

まさしく日本橋の中心地にある『ニホンバシ イチノイチノイチ』。その名の通りの番地にあり、ここで江戸400年の歴史を感じながら、日本全国の美味しい食材で作った料理とお酒を楽しめる。

日本橋川に面したテラス席は、気候のいい時季には風が心地よく、ディナータイムにはライトアップされた日本橋が美しい。ほかにもムーディーなバールエリア、落ち着いた雰囲気のテーブル席と多彩な空間が広がる。

日本橋兜町に2021年に登場した新ランドマーク『KABUTO ONE』の1階にある『KABEAT（カビート）』は全200席もある大型のオールデイ・ダイニング。日本が誇る生産者と新進気鋭の料理人がコラボレーションする新しいスタイルの食堂だ。

日本の風土を知り尽くした生産者が生み出す美味しい食材を使って、5人の若手人気料理人がメニューを考案。和食、イタリアン、アメリカン、フレンチ、デザートと、各分野のプロフェッショナルが柔軟なアイデアとセンスを掛け合わせた、他にはない料理を気軽に楽しめる。旬の食材を使うので、メニューは替わっていく。おつまみから、サラダ、ピザ、麺類まで、まさにオールラウンドな品揃え。

日本橋の中央通りから少し入った路地裏にある和ビストロ『LORE』。レンガ造りの外観に赤いファサードと暖簾が目印の一軒家で、1階はキッチン面したわずか4席のカウンター席、2階は北欧のダイニングをイメージしたシンプルモダンなテーブル席になっている。

創作和フレンチを身近に楽しめるカジュアルダイニング。食材の旨味を最大限に引き出し、季節を感じられる繊細な味わいと美しい盛り付けが特徴。

イチオシの食材が「金目鯛」。伊豆下田出身のオーナーにとって常に身近だった「金目鯛」という食材の魅力をもっと知ってほしいという思いが込められている。

日本橋タカシマヤS.C.の新館にある『料理屋 ニチニチコレコウニチ』は、昔ながらの和食や洋食、鉄板料理を提供するお店。店名は「毎⽇毎⽇が素晴らしい」という意味。美味しいものに囲まれて毎日を楽しんでほしいという思いが込められている。入口の白い大きな暖簾をくぐると、モダンなインテリアに彩られた開放的な店内が広がっている。

和の職人が生み出す料理は本格派。イチオシの「水炊き」は、味付けして炊いた骨付肉と低温調理したむね肉、生のもも肉、つくねを濃厚なスープで味わえる関東風。コラーゲンたっぷりで濃厚な味わいは女子の強い味方。ほかにも「特選黒豚しゃぶしゃぶ」「江戸前桜鍋」「鴨つくね鍋」があり、単品でもコースでもオーダーできる。

昭和通りからちょっと入った路地にある隠れ家イタリアン。石造りの外観に真っ赤なひさしがかわいらしく、まるでイタリアに迷い込んだような佇まい。さらに店内に足を踏み入れると、温かみのある灯りに包まれた、ほっとくつろげる空気が広がる。カウンターに座って、ひとりごはんも可能な居心地の良さが好感。

人気は、モチモチとした食感がクセになる自家製生スパゲッティ。とはいえ、本格イタリアンのパスタメニューというより、日本人が大好きな"ロメスパ"系。タラコをはじめ、醤油、塩、クリーム、トマトなどソースやベースが豊富で、2～3種の食材と合わせている。シンプルなのに奥深く、おうちでは再現できないのでヤミツキになるリピーターが多い。「タラコとキムチ」「ボロネーゼと納豆」などの変わり種もあり。おすすめは「なんこつ入鶏ミンチのパスタ」。

日本橋でのディナーなら、やはり江戸料理を楽しみたい。日本橋エリアには「うなぎ」の人気店が集まる。そのひとつ『うな昇』は、比較的新しいお店。中央通りと八重洲通りの交差点近くのビル地下にという交通至便な立地にある。

名店で腕を磨いた職人が腕を振るうのは、長年の経験から得た目利きで選んだ旬の食材を駆使した日本料理。繊細な味付けと美しい盛り付けで、コースを華やかに彩る。

2010年のオープン以来、多くのグルメたちに愛されているイタリアン。本場イタリアで厳しい修行を積んだシェフが腕を振るう。在日のイタリア商工会議所が認定したAQI（イタリアンレストラン品質認証マーク）を認定されているお店というから、美味しさは保証済み。

看板メニューはイタリアから届いた窯で焼き上げるクリスピーで極薄のミラノピッツァ。トマトソースとモッツァレッラの上に薄くスライスした米茄子を敷き詰めて焼き上げ、仕上げにルーコラセルバチコ・パルマ産プロシュート・チェリートマトを乗せた「ピッツァ ケ ヴォーリア」は、ぜひ食べておきたい逸品。

かつて銀座にあった『上海小南国 銀座店』の閉店に伴い、そのDNAを受け継いで日本橋にて新たな店を構えたのが『中華料理 小楠国』。アイボリーを基調にまとめた上品で落ち着いた店内は50席近くあり、ゆったりとテーブルを配しているので、くつろいでディナーを楽しめる。

料理は安心安全な食材をふんだんに使った本格上海料理。ぷりぷりの海老の旨味とXO醤がしみ込んだ春雨がたまらない「大海老と春雨のXO醤煮込み」や肉汁あふれるアツアツの「上海ショウロンポー」、そして「上海ダック」などが並ぶ。高級食材を使った「フカヒレの姿煮込み」「ナマコの葱醤油煮込み」も健在。

東京メトロ東日本橋駅よりすぐ。文化人や食通たちがディナーに足を運ぶ名店がある。『あひ鴨一品　鳥安』は、明治5年創業という歴史ある合鴨料理専門店。メニューはひとつ、「相鴨すきやきコース」（1人前・15,972円）のみを提供する。

「すきやき」とはいえ、いわゆる牛肉のすき焼きとはちょっと違う。合鴨の中でも、一番美味しいといわれている生後5カ月目の「若あい」を使用。皮付きのまま厚切りし、炭火にかけた鉄鍋で皮目から焼き、脂が十分に広がったら、むね肉、つくねなどと野菜をいれて焼き上げ、おろし醤油でいただく。鴨の濃厚な旨味を活かすためにも、この調理法がベストなのだ。

原点は日本橋に魚河岸があったころの屋台ずし。寿司がまだファストフードだった時代に始まる。毎朝、市場に足を運び選んだ鮮魚は職人ならではの目利きで選ばれた逸品揃い。職人が心を込めて丁寧に下処理をほどこし、握る。

しかもこの店は「トロ握り発祥の店」。傷みやすく脂が多いことから、それまで廃棄されていたマグロの腹身の美味しさを全国に広めたのだ。

創業以来変わらず、シャリは赤酢と塩のみで砂糖は使わず、タネに煮切り醤油をつけて提供する。見た目にも美しい江戸前寿司は、煮切りやツメを塗った艶やかさが特徴。

また伝統の味のひとつ「玉子焼き」は、シャリとのバランスを考えて薄めに焼き上げる。くるりと巻くような独特の姿は、計算された中で生まれたものだ。

日本橋・三越前の辺りを通ると、香ばしいごま油の香りが漂ってくる。引き寄せられるように路地に入ると長蛇の列。メニューは天丼のみ。『日本橋 天丼 金子半之助』は、2010年オープンという、日本橋にしては新参者ながら、すでに無くてはならない存在感を放つ。

店名に掲げたのは、総板長・金子真也氏の祖父であり、誰よりも和食を愛した金子半之助の名。天ぷら職人としても高名だった祖父から、幼い頃にもらった閻魔帳（レシピ帳）をもとに、江戸の気風がカタチになった豪快天丼が誕生した。

新日本橋駅すぐ、昭和通りより手前にある日本料理店。前沢牛のしゃぶしゃぶと天然とらふぐ料理を楽しめる。

最高品質の“前沢牛”のうち、A5ランクのものだけにこだわる。良質な米の生産地・奥州市前沢区で育てられた銘柄牛で、肥沃な大地、穏やかな気候、豊富な水という好条件の元に飼育。「特選前沢牛霜降しゃぶしゃぶ」なら細かく入ったキレイなサシの霜降り肉をさっと湯通しすることでとろけるような舌触りに。上品な甘味と豊かな後味が口の中に余韻を残す。

また「すき焼き」も用意しているので、濃厚な旨味を堪能したい人にはおすすめ。

創業以来、変わらぬ製法を守る蕎麦は、北海道産蕎麦粉「きたそらち」を100％使用する「更科そば」。蕎麦の実の胚乳の中心部を使った色白の麺で、独特の風味と香りが特徴。また、出汁は3年寝かせたカツオ節の削りたてと利尻昆布を用いる。

「もり」900円、「ざる」1,050円とお手頃価格なのもうれしい。温かい蕎麦なら「カレー南ばん」や「鍋やき」などをラインアップ。女性に人気なのが「納豆そば」。大粒の水戸納豆、削りたてのカツオ節、カイワレ大根、瀬戸内の海苔、岩手の卵を落としたヘルシーなひと品。

『日本橋タカシマヤ』の裏手にある和風居酒屋。知る人ぞ知る串焼きと鮮魚の名店『晴れ家』だ。

使うのは鳥取県大山鶏。鮮度にこだわった銘柄鶏を備長炭で焼き上げる串焼きは、ジューシーでコク深い味わい。ボリュームもたっぷりなので、大山鶏の美味しさをダイレクトに味わえる。

ほかにも「親鶏の一夜干し」「大山鶏レバー炙りポン酢」など店主が趣向を凝らした鶏料理をラインアップ。

八重洲通りと中央通りの交差点にある『東京日本橋タワー』の地下に広がるレストランフロア。その一番奥にあるのが『熟成魚場　福井県美浜町　日本橋本店』。

福島県美浜市は昔から熟成魚の文化が栄えた町。糠熟成の「鯖へしこ」、塩蔵熟成の「塩鰤」、恒温恒湿熟成の「美浜熟成魚」などを楽しめる。

若狭湾で獲れる鮮魚は、日本海の荒波にもまれた、身が引き締まり、脂がのっているのが特徴。スタッフ自ら現地で研修を行い、素材の良さを体感しているという。名物の「新鮮魚と熟成魚の刺身盛り」で、それぞれの美味しさを食べ比べてみたい。ほかにも、「上庄里芋の唐揚げ」「永平寺お揚げ焼き」など、どこかほっこりする郷土料理がずらりと並ぶ。