コレって、ちょっとイイかも!
SDGsな最新グルメ
環境問題、食料問題、フードロス問題…
SDGsな取り組みをグルメの分野からピックアップ!
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もったいない魚たちをラーメンに!?
海の富を活かす道『海富道』誕生!
日本は「166カ国中17位」
大きなマイナスポイントは食品ロス
『SDGs』という言葉を知っていても、日本の達成率まで知っている人って意外と少ないのでは? 『国別達成度ランキング(2020年)』によると、現在日本は「166カ国中17位」。ちなみに1位はスウェーデン、2位はデンマーク、3位はフィンランド、4位はフランス、5位はドイツです。(※「SDGs media」より引用)
日本の大きなマイナスポイントは、テレビCMでもご存じの通り「食品ロス」。『農林水産省』の発表によると、平成29年度の日本の食品ロスは、一年で約612万トン。そのうち「事業系(食品製造業、食品卸売業、食品小売業、外食産業など)が約328万トンです。(※2020年農林水産省発表の資料より引用)
「規格外の大きさやサイズ」「仕入れ時や配送途中についた傷」などが原因で、買い手が付かず廃棄されてしまう食材も含まれているようです。しかし近年は少し変わってきています。それが新型コロナウイルスの影響による「新型食品ロス」です。
新型コロナウイルスの影響で広がる
新型食品ロスとSDGsの達成度
「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」といった行政からの指示により、臨時休業や時短営業、さらには閉店を余儀なくされている飲食店たち。それに伴い、水産などの卸売業者は、仕入れが減少したことで在庫過多になり、大きな打撃を受けています。
もちろん冷凍加工して消費の期限を延ばすことで、在庫の調整を図っている業者もいます。でも、そんな状態が1年ほど続いた現在では、延命された冷凍加工品でさえ、消費されることなく寿命を迎えてしまう現実が起きています。
それが新たに発生している「新型食品ロス」です。つまり新型コロナウイルスの影響により営業できない飲食店が増えたことで、行き場を失った「もったいない魚たち」が、そのまま処分されているのです。
「もったいない魚たち」を活用!
SDGsなラーメン『海富道』の誕生
新型コロナウイルスの影響により、従来の「食品ロス」とは異なった、新たな「新型食品ロス」によって急増している「もったいない魚たち」。その救世主となるお店が、5/15(土)神田に誕生しました。
店名は『炭火焼濃厚中華そば 海富道(しーふーどう)』。市場や仲卸業者から「もったいない魚たち」について相談されたことが、オープンするきっかけになったそうです。
お店のコンセプトは「海の富を余すことなく活かす道」。通常の魚はもちろん、未利用魚、食べられるのに捨ててしまう部位など、こちらのお店ではすべてを活用。「もったいない」を合言葉にSDGsをラーメンに込めて提供します。なおメニューに使用している多くの魚介が、もともと居酒屋で取引される予定の食材だったそうです。
頭から尻尾まですべてをいただく!
スープがまるで「飲める焼き魚」
昨年末に「スープがまるで<飲める焼き魚>のような味わい」として話題になった新橋の人気店『炭火焼濃厚中華そば 倫道』の義兄弟店に当たる『海富道』。神田では「海と社会の課題解決」と「最高に旨い中華そば」の両立を掲げます。
特徴は『倫道』と同じく「炭火焼き濃厚スープ」。頭、骨、エラ、内臓、尻尾…と、メニューごとの魚を丸ごと店内で炭火焼き。その後、企業秘密の製法によって特殊ペーストに仕上げて、飛び魚アゴ出汁ベースの魚スープと合わせます。
焼き魚のような香り豊かな濃厚スープは、特製ストレート麺との相性もぴったり。さらにできたての麺とスープを味わってもらうため、トッピングは全て別皿。さらにスープも最後まで味わってもいらえるように、ご飯を付けた定食スタイルも用意します。
■「鯖(さば)」(単品:850円、定食:1,000円)
鯖の干物を食べているような香ばしさが特徴のスタンダードなメニュー。「鯖の炭焼きを丸ごとすする」というようなイメージで、最初に食べてみたい一杯です。
■「鰯(いわし)」(単品:850円、定食:1,000円)
コクと深みの強さが特徴。頭から尻尾までまるっと使っているので、鰯独特のほろ苦さを活かした濃厚な味わいです。麺だけではなく、ご飯もスープとの相性が抜群。
■「鮭(しゃけ)」(単品:950円、定食:1,100円)
マイルドな脂と鮭の風味がクリーミーで食べやすく、女性にもおすすめのひと品。鮭の風味が濃厚であるのに主張し過ぎない上品なスープの味わいも特徴です。
■「海老(あまえび)」(単品:850円、定食:1,000円)
海老のコクが存分に引き出されている風味豊かなラーメン。ミソが詰まっている甘エビの頭でつくっているので、旨味が凝縮した贅沢なスープを楽しめます。
■「烏賊(するめいか)」(単品:950円、定食:1,100円)
スルメイカの身と肝を贅沢に使った、ほかに類がない個性あふれる逸品。イカの風味と特製辛味のピリリとした辛さがやみつきになるラーメンです。
「新カテゴリー」から「定番」へ!
魚介のヘルシー感が女性に受ける!?
今後は「期間限定メニュー」も含めて、さまざまな「もったいない魚たち」を提供していく予定とのこと。そもそも動物系と違い、魚介系のラーメンはヘルシー志向の女性にも比較的人気が高かったりします。
最初こそ「新型食品ロス」がはじまりだとしても、美味しければ、それはきっと「定番」に変わっていくはず。これからの展開がとっても気になる要チェックの注目店です。
早速「飲める焼き魚」のようなラーメンを食べに出かけてみてはいかがでしょう? ラーメンを食べることが水産卸業者の救済にもなりますから。