コレって、ちょっとイイかも!
SDGsな最新グルメ
環境問題、食料問題、フードロス問題…
SDGsな取り組みをグルメの分野からピックアップ!
美味しく、楽しく、まじめに食の未来をお伝えします。
一杯のコーヒーからできること
『OGAWA COFFEE LABORATORY』誕生
毎日のコーヒーが美味しいのは
生産者の暮らしがあるからこそ
カフェラテ、エスプレッソ、カプチーノ、ブラック…。とっても身近な存在のコーヒー。毎日飲んでいる人も少なくないはず。人によってはコーヒー豆や産地の好みもあるのでは。
では「エチオピア」といったら何を想像しますか? 「モカ」と答えた方、正解です。そのほかにも「コーヒー発祥の地」あることは有名ですね。
またコーヒー豆の生産量はアフリカで第1位、世界では第6位にランクイン。世界の生産量から見ると、約5%をエチオピアが担っているのです。
でも、その一方で「エチオピア」は、食料安全保障の確立と貧困削減が、依然として最大の課題として掲げられています。ご存じでしたか?
美味しいコーヒーをいただくためには、生産者の暮らしを守ることも実は大切なことなのです。
持続可能な社会のために
一杯のコーヒーからできること
1952年に京都府で誕生した『小川珈琲』。理念は「珈琲を嗜好品でなく、日常にとってかけがえのないものにすること」。
「京都のコーヒー職人」としての誇りを持ち、審美眼と腕を磨き、世界に通じる「本物」の味わいを追求しています。
同時に『SDGs』にも賛同。珈琲づくりの基盤である生産国にとっての「幸せ」や、栽培における環境問題に向き合うことで、持続可能な生産方法を積極的に取り入れています。
「一杯のコーヒーからできること」。
誰もが選ぶだけで簡単に世界に貢献できるコーヒーがあることを、少しでも多くの人に知ってもらうために、京都を中心に全国・世界へと活動を広げ、継続して取り組んでいます。
下北沢にオープンした
リビングライクな新スタイルの珈琲店
『小川珈琲』が手がける新店は、下北沢の『reload』にオープンした『OGAWA COFFEE LABORATORY』。
『reload』とは、下北沢駅と東北沢駅の間の全長約1.7kmにもおよぶ小田急線の線路跡地『下北線路街』に開業した商業施設のこと。
シンプルなデザインの店内は、スタイリッシュな雰囲気ながら、どこかアットホームな空気感をただよわせる空間。
着物の衿合わせから着想を得たという両開きのシェルフには、老舗工房『名尾手すき和紙』に特注した和紙で表装するなど細部にまでこだわっています。
また物販では、珈琲を楽しむためのツールのほかに、インテリアにも映えるアイテムも用意。
石川県の伝統的な『九谷焼』を絵付けせず、素地のままリファインした『NOVEM』の器など、自宅でのコーヒー時間を豊かにするアイテムもセレクト。
京都の美意識をさりげなくディテールに忍ばせることで、革新だけではなく『小川珈琲』の伝統への思いも表現。『OGAWA COFFEE LABORATORY』には、京都の珈琲職人のおもてなしの心が息づいています。
好みのコーヒーが見つかる
体験型のビーンズサロン
コンセプトは「体験型ビーンズサロン」。コーヒー豆を購入するだけの一般的なコーヒーショップとは違い、ここではプロのバリスタと一緒にコーヒー豆をチョイス。
さらに「挽く」「淹れる」といった工程をすべて体験できる「LABORATORY=実験室」になっています。
まずは大きなカウンターで、バリスタがカウンセリング。フレーバーホイールのようなチャートを参考に、コーヒー豆のアドバイスを受けながら抽出方法までをレクチャー。
コーヒーミルやエアロプレスなどバリスタが選んだ約40種類のコーヒーツールを実際に使うことで好みのコーヒーを見つけられるのです。
コーヒー豆は、シングルオリジン11種類、ブレンド10種類の計21種類を用意。
その中には「国際フェアトレード認証コーヒー」「バードフレンドリーR認証コーヒー」「オランウータンコーヒー」など『SDGs』を意識したコーヒー豆もラインアップしています。
コーヒー生産地との「公平な貿易」
「国際フェアトレード認証コーヒー」について
コーヒー生産国のほとんどは途上国です。そのため国際市場での販売価格を知らないまま、安価で取引されることがあります。
それはやがて劣悪な労働環境、長時間の児童労働、基準値以上の農薬の使用…と、人権や環境問題に発展することがあるのです。
その状況を防ぐ制度が「フェアトレード」。
途上国の農産物や製品などを、単に市場価格で買い付けるのではなく、農家の生活が成り立つように考慮したフェア(公正)な価格で輸入・消費する貿易を行います。
渡り鳥が休息する森を守る
「バードフレンドリーR認証コーヒー」について
渡り鳥の生息にコーヒー農園が関係していることはご存じでしょうか?
伝統的なコーヒー栽培は、シェードグロウン(木陰栽培)と呼ばれる自然林に近い環境で行われ、渡り鳥はその森林を休息場所とし、そこに生息する昆虫などを餌としてきました。
しかし近年は、低コスト化のために森林を切り開き、機械で収穫を行うコーヒー農園が増加。自然環境が失われたことによって、渡り鳥が減少しています。
そこで自然の森林に近い環境の農園を維持する認証基準を設定。認証を受けた農園のコーヒー豆をプレミアム価格で買い取ることで、農家を支援しながら渡り鳥を守る「バードフレンドリーR認証プログラム」を創設しました。
「森の人」とヒトの
「オランウータンコーヒー」について
アジアで最大規模の低地熱帯雨林を有し、世界で最も生物多様性を持つ国といわれているインドネシア。
しかし、森林火災や違法伐採などによって年々、熱帯雨林が減少。それに伴いスマトラオランウータン・タパヌリオランウータンの数も減少し、今や絶滅危惧種に指定されています。
「オランウータンコーヒープロジェクト」の目的は、多くの人々を魅了する高品質なコーヒーの生産を通して、オランウータンが生息する自然環境の保護や、現地のコーヒー生産者の生活を豊かにしていくこと。
生産地の環境整備をサポートするだけでなく、生豆の売り上げから保護活動団体『PanEco』と生産者に寄付を行い、還元することでオランウータンと環境を守る活動を支援しています。
「有機JAS認証コーヒー」など
『SDGs』な取り組みはほかにもたくさん
「有機JAS認証コーヒー」は、化学的に合成された農薬や肥料による土壌・環境への負担を軽減するだけではなく、農園で働く生産者の健康被害も少なくしているのです。
またコーヒー生産国の女性の健康促進、特に子宮頸がんの早期発見・治療を目的とした活動を行っている団体『Grounds for Health(グラウンズ フォー ヘルス)』へ支援するキャンペーンも実施。
そのほかにも『OGAWA COFFEE LABORATORY』は、低炭素社会実現に向けた取り組み、「ピンクリボン京都」の支援など、「一杯のコーヒーからできること」を大切に、生産者に寄り添っています。
店内のカフェスペースで
美味しいスイーツもどうぞ
『OGAWA COFFEE LABORATORY』のカフェスペースでは、コーヒーをいただきながらスイーツを楽しむこともできます。
おすすめは「スコーン バタークリーム添え」。代々木上原のフレンチレストラン『AELU』などを手掛ける丸山智博シェフが特別に監修した逸品です。
ラインアップは「プレーン」「ラムレーズン」「ローストナッツ」「タヒチ産バニラ」の4種類。サクッとした小ぶりな「スコーン」は、全粒粉入りでとっても軽い食感。リッチなテイストのバタークリームもコーヒーとの相性抜群です。もちろんテイクアウトも可能です。
なお、こちらのお店ではコーヒーショップでありながら「ジンジャーソーダ」「ゆず抹茶ソーダ」「国産檸檬ソーダ」といったソフトドリンクも取りそろえています。
子ども連れでも気軽に立ち寄れるところがうれしいです。ちなみに店内が満席の場合でもテイクアウトすれば『reload』内のテラス席でいただくこともできます。
一杯のコーヒーでつながる
コーヒー生産者と地球の未来
商業施設『reload』の中の西側、下北沢寄りに店舗を構える『OGAWA COFFEE LABORATORY』。
ちょっとしたエンターテインメント感覚で楽しめる「体験型ビーンズサロン」は、コーヒー好きでなくても十分に満足できる面白さがあります。気軽に足を運んでみてはいかがでしょう。
そして当たり前のことですが「わたしたちが美味しいコーヒーを飲めるのは生産者がいるから」こそ。
世界は今、気候変動による環境の変化や経済格差など、さまざまな問題が起きています。一杯のコーヒーに感謝すると共に、その先につながる生産者についても、ちょっとだけ意識してみてください。
それだけでコーヒーの味も、未来も、きっと変わるはずですから。