神保町『関山米穀店』は自然派ワインとおいしい料理でひとり飲みを楽しめるお店

※営業時間・定休日・メニュー等が変更となる場合があります。詳細は店舗までご確認をお願いいたします。

かしこまらない雰囲気で、リラックスしながらおいしい料理とワインでひとり飲みしたい。
神田・神保町にある『関山米穀店』は、そんな気分の日にぴったりのお店。

地下鉄神保町駅や小川町からは徒歩約5分、大通りを少し入ったビルの1階にあり、入口にかけられた白いのれんが目印。

ワインとタパスのお店でありながら『関山米穀店』というユニークな店名は、店主・関山真平さんの実家である茨城県で、おじいさんの代から営まれていたお米屋さんの屋号だそう。

オーナーシェフの関山さんは、イタリアンやスペイン料理店を始め、新富町のワイン酒場『ポンデュガール』などを経て、2015年に神保町のこの場所に店をオープン。

料理からサービスまで関山さんが一人で切り盛りする約10坪の店内は、カウンター8席とテーブル4席からなるコンパクトな空間。
満席になる日も多いので、訪れる前に電話で確認しておくと安心です。

ビストロとバルの中間のような、こぢんまりと落ち着いた雰囲気は、まさにひとり飲みに最適。
一人で訪れる女性客も多いというのも納得です。

店内の壁にはワインの空き瓶がずらり。
「うちは“ワイン屋”なので、ぜひいろいろなワインを楽しんでほしいですね。料理はスペイン料理を軸に、特にジャンルにはこだわらずワインに合うおつまみを揃えています」と関山さん。

ワインは飲み疲れせず多彩な味わいが魅力の自然派ワインが中心。フランスやイタリア、スペインから日本産まで、その土地の風土や作り手の思いを感じられる小規模なワイナリーのものを選んでいるそう。

グラスワインは常時白・赤を各5種類以上用意。「こういうのが飲みたい」と好みを伝えると、味やタイプが異なるものを何種類か提案してくれます。ひとり飲みでもいろいろなワインをグラスで楽しめるのがうれしい。

料理は本場スペインのタパスを始め、パスタやリゾット、メインの肉・魚料理まで20種類以上。フレンチやイタリアンのほか、ときにはミニサイズの魯肉飯が登場したりと、自由で創意あふれるラインナップが魅力。

ひとり飲みだと食べられる品数がどうしても限られてしまいますが、ひと皿のポーションが抑えめのタパスサイズなので、いろいろな料理を楽しめるのもポイント。

メニューにぎっしり並ぶお品書きに目移りしてしまう…女性のひとり飲みなら少なめの量にも調整してくれるそうなので、ぜひ相談してみて。

定番の前菜メニュー「エビのカナッペ ゴイスアルギ風」1ピース300円。
美食の地として知られるスペイン・バスク地方の都市、サンセバスチャンの人気バル「ゴイスアルギ」の名物メニューをアレンジした一品。

タマネギやパプリカのシャキシャキ感と、プリッとした海老の歯ごたえが絶妙。
甘酸っぱいサルサソースはビネガーが効いたさっぱりとした味で、胃が元気に動き出し食欲がわいてきます。

スペイン・カタルーニャ地方の冬の名物であるネギの炭火焼き「カルソッツ」にヒントを得た「焼きネギのマリネ ロメスコソース」。
パプリカやアーモンドで作るロメスコソースは濃厚で甘みたっぷり。焼いて甘みを引き出したネギと一緒にいただきます。

「ポルチーニのクリームコロッケ」4個 950円。
カリカリの衣をまとったコロッケを頬張ると、まろやかなベシャメルソースとともに、ポルチーニの芳醇な香りがぶわっと広がります。
ひと口サイズのコロッケの中に凝縮されたポルチーニ風味に悶絶…白ワインやスパークリングにも合いそう。

そして、ほとんどの人がオーダーする人気メニューが「黒トリュフのオムレツ」1300円。
しっとり艶やかに焼き上げたオムレツの中は、絶妙な半熟加減。
そして、こちらもトリュフの香りがしっかり。

口の中で玉子がふわっとほどけると同時に、鼻孔に抜けるトリュフの香りがたまりません。
ワインと一緒に堪能しながら、あっという間に完食してしまいます。

「豚足のテリーヌ パートブリック包み焼き」1100円。
パリッと香ばしく焼いたパートブリックにナイフを入れると、中には柔らかくとろとろに煮込まれた豚足の煮こごりが。

豚足のねっとり濃厚なゼラチン質やお肉の部分、ひと口ごとにいろいろな食感に出合えるのが楽しい。
添えられたマスタードを少しずつ付けていただくと、深く濃い旨みに、自然と赤ワインに手が伸びます。

トリュフやポルチーニ、豚足など、メニュー名から連想するイメージをストレートに表した料理は「これが食べたい！」という食欲をしっかり満たしてくれます。
どの料理もシンプルながら手の込んだ丁寧な味わい。もちろん、ワインとの相性は抜群。

店は16時からオープンしているので、夕方早めの時間に「ちょっと飲みながらおいしいもの食べたいな…」というときにもおすすめ。

食事メインの利用はもちろん、2軒目など遅めの時間にワインバー的な使い方もできます。

関山さんはオーダー時以外は基本的に放っておいてくれるので、カウンターに置かれた本をめくったり、外をぼんやり眺めながら、自分のペースでひとり飲みしたい日にぴったりな一軒です。